Tree 1について
筆者として皆様にお会いするのは初めてです。はじめまして。
この記事の本題に入る前に、このブログについて簡単に説明させて頂きます。
このブログは、オリジナルの小説を書き綴っているものです。このブログを一編の小説に見立てるならば、 “Forest of Stories”は書名ということになります。一方でカテゴリー名は「Tree」で統一しています。今回であれば「Tree 1」に当たるものです。これは章立てに相当するものとしています。そして一つひとつの記事は通し番号で「Leaf」と呼んでいますが、これは章を形作るエピソードです。
今後、一つの「Tree」が出来上がるごとに、このようなまとめの記事を書いていくことにします。制作の裏話や内容で暗示したかったことなど、読者の方々がより私の物語を楽しんでいただけるような内容にするつもりです。本編と併せてお読みいただければ幸いです。
さて、それでは「Tree 1」を振り返っていきましょう。
つかみどころのないまま締めくくられてしまったTree 1
今だから言えることですが、このTree 1は私がこの小説で書きたい内容とは一線を画しています。言い換えれば、今回の話が小説の主題になることはありません。ただ、今後「Tree 2」「Tree 3」……と続いていく中で、根底になる重要な伏線が多く含まれている部分であることは確かです。
したがって、この「Tree 1」では解決しなかった数々のことが、これから少しずつ明らかになっていきます。故意に話としての完結性を弱めたTreeですので、ここで見捨てずに購読して頂ければと切に願っています。
Leaf 1について
Tree 1の冒頭部分です。
ここには倉下という男性と、主人公の男性(竹内)の会話と風景の描写しかありません。文字数も他のLeafの3分の1程度しかなく、一見すると特に大きな情報もない回でした。
ただ、個人的には物語文よりも論文などの「カタい」文章を書いてきた人生を送ってきたので、このように地の文が多い文章を書く方が書きやすかったりします。
Leaf 2について
竹内と倉下が喫茶店で歓談をしているところから、秋葉原へと向かう電車に乗るところまでを描きました。ちなみに、二人が最初にいた場所のイメージはJR総武線の平井駅です。23区郊外のベッドタウンという穏やかな立地を魅力に思い、スタートの場所をここに設定しました。
ここで、普段の倉下のおちゃらけた性格と、今回ばかりやけに「まじめ」であるという様子を再三示すことで、その後の早瀬の訴えに多層性を加えられるようにしました。倉下の人物的な謎を浮かび上がらせるきっかけを与えるがこのleafの目的です。
Leaf 3について
秋葉原に着き、早瀬に会うまでの箇所です。
ここでは倉下に対する竹内の信頼感と、竹内自身のお人好しな性格を織り込んでいます。早瀬に会えると聞いて来たのに、突然テレビを買うと言っても許してしまう彼の人物は、書いている私自身も少しイライラしてしまいました…。
秋葉原で降りたことがある方は、この「家電量販店」のモデルがお分かりかもしれません。私も何度も足を運んだことのある店ではありますが、このLeafを書くために再度店内を探検しました。
Leaf 4について
今後も物語の中心となる3人が集合した夕飯の一部始終です。この焼肉店も例に漏れずモデルとなっているお店があります。
このように、この物語では現実とリンクした場所が数多く出てきますが、それらは全て現実の場所のイメージを落とさない場所のみです。例えば「Leaf 3」で出てくる火事も、実際のニュースには何ら関係のない出来事で、完全に虚構です。世田谷区という地名は出てくるものの、特定できるほどの場所の説明がないのはそのためです。当然のことながら、物語そのものや登場人物は、架空のものです。
さて、会話中心で話が進むここでつかんでいただきたいのはただ一点、倉下の女性慣れです。更にポイントがあるとすれば、竹内自身が早瀬への恋心が芽生える見込みを感じてないところでしょうか。この後、二人の関係がどうなっていくのかはお楽しみということにしておきます。
Leaf 5について
「Leaf 4」までの話の展開を一気に崩す場面です。ここから新たな物語が始まっていきます。「Tree 2」以降の話は、このエピソードで初めてスタートラインを切ったと言っても過言ではありません。
竹内の動揺と、早瀬が自分でも気づいていないであろう内に秘めた気の強さを描きたかったシーンです。
これ以上の説明を加えると、今後の話が面白くなくなってしまうので、このあたりで。
Leaf 6について
「Leaf 5」の延長です。
これもあまり書くと今後の進行に響くので、サラッと流しておきます。
Leaf 7について
短いLeafです。
ここは、「Tree 2」に繋げるための要素を盛り込みました。まずは「Leaf 1」の場面に時間軸を戻すことで、竹内の現在の状況を読者に思い出していただくこと、もう一つは早瀬(さとみ)の妹を登場させることです。妹も、今後のストーリーに大きな役割を果たしていきます。
Tree 2に向けて
ここから話が動き出します。伏線を回収しつつ、新たな伏線もさりげなく織り混ぜていきます。どうぞご期待を。
なお、「Tree 2」以降は、竹内または早瀬が一人称で語る文体になります。